The Man Who Fell From The Wrong Side Of The Sky:2017年5月23日分

2017/5/23(Tue)

[音楽] The Smiths/Suffer Little Children

もう30年以上昔だけどイギリスのThe Smithsというバンドが「Suffer Little Children」という曲を書いた *1

この曲はかつてマンチェスターを震撼させた 連続殺人事件の被害者の少年少女について書かれたもので、犯人どころか被害者の実名まで登場する歌詞は悪趣味だと発表当初は大いに批判された。

この事件が起きたのはその当時からでも20年も前の話で今となっては半世紀も昔の事件なのだけども、数日前に犯人の最後の一人 イアン・ブレディが獄中死したとのニュースが流れ、そしてまだ存命である被害者の遺族、そして危うく殺されかけた生存者からのコメントが報道され、ああまだ終わっていない事件だったんだなぁと。

しょーもないSNSに毒された現代では大量殺人事件だろうが3日も経てば新しいニュースに埋もれ忘れ去ってしまうもんだけど、命を奪われた悲しみなんてのは当事者ならば50年どころの話でない苦しみなんだなという事に改めて気づかされた。

そういえばこの曲のサビ(といってもこの曲はサビらしいサビ無いんだけど)の歌詞には

Oh Manchester, So much to answer for

というフレーズが繰り返される部分がある、日本盤の歌詞カードではうろ覚えだけど

マンチェスターよ、お前は償うべきことが多過ぎる

という訳だったかと記憶している。

この翻訳について「なぜ犯人達でなくなぜマンチェスターが擬人化して責められるのか」という部分にひっかかりを感じて

おお(一部始終を見ていただろう)マンチェスター、お前は(事件の真実について)答えなければならないことが多過ぎる

のように「answer for」を「〜の責めを負う」でなく「〜について説明をする」と解釈してる人もみられる。

確かに歌詞の前後には未だ発見されない被害者がムーアの沼地から見つけてくれと呼びかけるセリフがあったり、この解釈も興味深い。

しかしマンチェスターが償わなければならないという解釈もそれはそれで妥当な気もしている、そのあたりの歴史についてはまたいずれ何か書こうかと思う。

そしてこの歌詞を書いた、今やイギリス史上最高の 皮肉屋詩人の一人として称賛されるまでになったThe SmithsのボーカルMorrisseyの誕生日である5月22日に何たる偶然か新たな悲劇が起きた、 自爆テロで22名が死亡、59名が負傷という痛ましいニュースだ。

この事件による被害者たちの苦しみはこれからまた50年以上は続くのだろう、今日はこの曲を聴いて寝る。

神による救いを自爆テロで得ようとする男の歌である、何という皮肉。

*1:この曲のタイトルで検索したら漫画「絶対可憐チルドレン」のエロ同人がヒットしたんですが、日本はこの手の検索汚染が酷過ぎませんかね…