The Man Who Fell From The Wrong Side Of The Sky:2016年1月17日分

2016/1/17(Sun)

[音楽] そして星は再び蘇る (その1)

突然のデヴィッド・ボウイの訃報から一週間経って少し世間の狂騒も治まってきたので、遺作となったアルバム ★(Blackstar)のプロモーション映像などを観て自分なりに感じたものを何回かに渡って書きます。

@ 黒き星 (Blackstar)

アルバムタイトル曲、Blackstarのプロモーション映像です。

黒い太陽が妖しく輝く、どこかの惑星に漂着した宇宙飛行士の亡骸のアップからはじまります。

ダクトテープによる数々の修理痕も痛々しいボロボロの宇宙服は、胸の スマイリーフェイス*1から1960年代からやってきた人物であることが見てとれます、一体これは誰なのか?

@ 宇宙で起きた奇異なる出来事 (Space Oddity)

この宇宙飛行士は、彼の初期のヒット曲 Space Oddityに登場するキャラクターであるトム大佐(Major Tom)と思われます。

地上管制からトム大佐へ (10, 9, 8, 7, 6)
カウントダウンを続行する、エンジン点火 (5, 4, 3)
燃調チェック、神のご加護が君と共にあらんことを (2, 1, 打ち上げ開始)

彼はカウントダウンの後、空気を轟音で震わせながら蒼穹を切り裂き漆黒の闇が広がる宇宙へと飛び立ちます。

打ち上げ成功で彼は一躍ヒーローとなり、人々は彼のありとあらゆる些細な情報ですらも興味を持たれる存在となります。

こちら地上管制、トム大佐へ
本当におめでとう、合格点を差し上げるよ
地上じゃ新聞記者たちが、君の着てるシャツはどこ製?みたいな事まで知りたがっているよ

トム大佐はこの後に宇宙遊泳ミッションを行います。

(地上管制)さあカプセルを離れる時間だ、君が怖気づいてなければだけど

こちらトム大佐、地上管制へ
ちょうどハッチから這い出すところだ
いまだかつてない変な姿勢で宙に浮かんでる

そして今日は星々が普段とは全く違ったものに見える
ブリキ缶みたいな宇宙船に腰かけて
頭上をみれば自分以外の全人類の住む世界が浮かんでいるんだ
地球は青く
そして僕の手の届かないところにある

しかしこのミッションの最中にトム大佐は何らかのトラブルに遭遇し、通信が途絶えます。

地上管制からトム大佐へ
君の回線が死んでるのか? 何か異常があるようだ
聴こえるか? トム大佐
応答願う、トム大佐
返事をしてくれ、トム大佐

いつも挑発にも近い軽口の地上管制、うってかわって悲痛な声でトム大佐に呼びかけますが返事はありません。

歌詞には原因について言及はないのですが、トム大佐は死にその亡骸は永遠に深宇宙を彷徨う事になったと広く解釈されています。

@ 次回予告

いったいトム大佐の身に何が起きたのか?これを理解するには今から半世紀ほど時代を遡る必要があります。

次回「 月旅行時代という白昼夢 (Moonage Daydream)

*1:ヘルメットの内側にもマークがありフォーカスが当てられるのですが、何か判る方いらっしゃいましたら情報希望。